欧州連合(EU)諸国においては、「相続事件における管轄、準拠法、裁判の承認及び執行、公文書の受領及び執行、並びに欧州相続証明の導入に関する2012年7月4日の欧州会議・理事会規則」(EU相続規則)が施行されているそうです(2015年8月17日)。
日本の通則法*136条では「相続は、被相続人の本国法による」とされていることから、被相続人が、例えばドイツ人である場合には、EU相続規則が適用されることになります。当該EU相続規則の第21条1項には「この規則において異なる定めがなされていない限りにおいて、全体として死亡による権利の承継は、被相続人がその死亡時にその常居所を有していた国の法に服する」と規定されてるようです。また「この規則によって指定された法は、それが加盟国の法でない場合でも、適用されなければならない」としています。
そのため、被相続人であるドイツ人の死亡時の常居所が日本であった場合には、日本法が準拠法となるのだそうです。
(以上、「(著 特定行政書士 岡田忠興、税務経理協会、令和3年3月25日初版)参照」
ひとまず、以上をよく覚えておきたい。
例外としては「死亡時に常居所があった国よりも明らかにより密接な関係を有していた国がある場合には、その国の法律を適用する」(EU規則21条2項)とあります。つまり、その「明らかにより密接な関係を有している国」が例えば「ドイツ」の場合は、ドイツの相続法が適用されることになるそうだ*2